

■ ヌムルグ自然保護区で起きた大規模火災
2026年10月8日、モンゴル東部ドルノド県のヌムルグ自然保護区で、大規模な草原火災が発生しました。モンゴル環境・気候変動省の暫定値によると、焼失面積は約52万9千ヘクタール。東京都の約2.4倍という広さです。保護区だけを見ても、全体の約8割にあたる約46万9千ヘクタールが被害を受けたと試算されています。
ヌムルグ自然保護区は、森林、草原、川の流域、湿地が一体となった、モンゴルでも貴重な自然の宝庫です。ヘラジカやヒグマ、アカシカ、カワウソといった希少な野生動物が暮らしてきました。
■ 被害の状況
現地の専門家によると、火災で植物が根元まで焼き尽くされ、一部の場所はもう自然には再生できない状態になっています。
野生動物は、焼け残った約3割の区域に逃げ込み、そこに集中しています。しかし、餌となる草が燃えてしまったため、これから迎える厳しい冬に、動物たちが食べ物を失うことが心配されています。現地では、2万5千〜3万束の干し草を用意して動物たちを支える対策が必要になっています。
長い年月をかけて育まれた生態系が、わずかな期間で失われたことは、誠に痛ましく、取り返しのつかない出来事です。
■ 報道の陰にある、現地の声
今回の火災は、モンゴルの通信会社モビコム(KDDIの子会社)の社員が、保護区内を車両で移動していた際に発生したとされています。発生直後からさまざまな情報が錯綜し、一部の報道やSNSでは、事実関係が十分に検証されないまま、日本人関係者に責任を集中させるような情報も広がりました。
10月23日にKDDIが公表した説明によると、一行の訪問は、モンゴル側当局の要請による通信ネットワークの開通式典への出席と通信品質の確認が目的で、保護区への立ち入りも当局の許可を得ていました。移動は当局の車両による先導と後方支援のもとで行われ、車両に枯れ草が付着する危険を踏まえて、20〜30分ごとに停車して草を取り除いていたといいます。しかし、停車中の車両の下部から煙が上がり、消火にあたったものの、火は広範囲に燃え広がりました。
当局の許可があったことと、事故の責任の有無は別の問題です。出火の原因や安全管理については、現在もモンゴルの関係当局が調査を進めています。私たちは、公正で客観的な調査によって事実が明らかになることを願っています。
こうした報道に触れるたび、私たちは、現地の人々がこの出来事をどう受け止めているのかが気になっていました。そこで、モンゴルにいるアムガランさんに電話をし、率直な声を聞きました。
アムガランさんの周りでは、今回の火災を単純に「日本人が悪い」と捉える人は少なく、長年の交流で培われた日本人への信頼は、決して失われていないそうです。もちろん、これは現地の声の一つであり、モンゴルの皆さん全体の見方を示すものではありません。
それでも、心を動かされた言葉がありました。
「日本人なら、きっとこの被害を重く受け止めて、モンゴルの自然を取り戻すために力を貸してくれるのではないか」
そう考えている人たちがいる、というのです。
日本政府も、JICAの専門家を現地に派遣し、被害地域の回復に向けた協力を進める方針を示しています。私たちも、市民としてできることで、この期待に応えたいと考えました。
■ ヨル知事との出会い

2025年10月、ドルノド県のヨル知事をはじめ、スフバートル県、ヘンティ県のモンゴル東部三県の皆様が、バヤルサイハン駐日モンゴル国大使とともに富山県を訪問されました。
このとき、在富山モンゴル国名誉領事館として皆様をお迎えし、3日間の訪問に同行したのが、当法人の代表です。富山、高岡での経済フォーラムや交流会、海王丸パーク、新湊大橋と、多くの時間を一緒に過ごしました。
この3日間の日程は、富山県モンゴル友好親善協会の山口会長、サイハン協同組合の酒井社長をはじめ、たくさんの方々に支えていただきました。
その中で深く心に残ったのが、ヨル知事のお人柄です。いつも穏やかで、柔らかな笑顔を絶やさず、周囲の誰にでも自然体で温かく接しておられました。
今回の火災の知らせを受け、真っ先に思い浮かんだのが、ヨル知事のお顔でした。
■ 募金を、ヨル知事に直接お届けします
私たちはこれまで、モンゴルでの植林活動や環境保全、地域間交流に取り組み、人と人との信頼こそが、国と国の友好を支える最も確かな土台であることを実感してきました。被災した地域の自然環境の回復に少しでもお役に立ちたいと考え、理事会の承認を受け、募金活動を開始しました。
お寄せいただいた募金は、当法人の代表者が現地を訪問し、ヨル知事に直接お届けします。3日間をともに過ごし、そのお人柄を知っているからこそ、皆様の真心を、信頼できるこの方の手に、確かに託したいと考えています。
【募金の概要】
募金名称:モンゴル・ドルノド県大規模火災 自然環境復旧支援募金
目標額:500万円
※募金が100万円に達した時点で、まず第1回として、ヨル知事に直接お届けします。
支援目的
- 火災によって被害を受けた植生・森林の再生
- 野生動物の生息環境の保全と回復
【ご寄付の方法】
1. クレジットカード
1口1,000円からお願いいたします。
決済画面では100円から入力できますが、1,000円以上の金額をご入力ください。
カード決済の手数料は当法人が負担し、ご寄付から差し引くことはありません。
2. 銀行振込
振込先(ゆうちょ口座から送金の場合)
- ゆうちょ銀行
- 記号:13260 番号:18000881
ゆうちょ銀行以外からお振込みの場合
- 銀行名:ゆうちょ銀行
- 店名:三二八(328)
- 口座種別:普通預金
- 口座番号:1800088
- 口座名義:
トクヒ)ネクストドア
(特定非営利活動法人NEXTDOOR)
3. 募金箱
在富山モンゴル国名誉領事館に設置した募金箱で受け付けています。各種イベントや交流会でも募金箱を設置し、ご協力を呼びかけてまいります。
※本募金は寄付金控除の対象外です。お寄せいただいたご寄付は返金できませんので、あらかじめご了承ください。
【募金の贈呈とご報告】
募金が100万円に達した時点で、第1回の支援金として、当法人の代表者が現地を訪問し、ヨル知事に直接お届けします。その後も目標の500万円に向けて募金を続け、お寄せいただいた募金は全額、ドルノド県の自然環境復旧支援金として順次お届けします。具体的な復旧事業や資金の活用は、支援目的に沿ってドルノド県の判断に委ねます。募金総額と贈呈の結果は、その都度このホームページでご報告します。
■ 最後に
失われた自然の再生には、長い歳月がかかります。しかし、人々の間に育まれてきた信頼まで、失わせてはならない。私たちはそう考えています。
今回の出来事が、日本とモンゴルの相互不信ではなく、自然の再生に向けて両国がさらに深く協力するきっかけとなることを願っています。
モンゴルの豊かな自然を次の世代へつなぐために、皆様のお力をお貸しいただけましたら幸いです。温かいご理解とご協力を、心よりお願い申し上げます。

